兵庫県 山田秀貴氏(仮名)
兵庫県の、本願寺派末寺に生まれた、山田講師は、大学で親鸞会に出会うまで、仏教が大嫌いだった。
「高2の時、京都西別院で得度しました。10日間の研修がありましたが、正信偈と御文章の、節のつけ方の練習以外、あまり覚えてません。たしか10日目に頭をツルツルにそって、本山でオカミソリを受けました。門主か誰かが、『君たちは今日から生まれ変わった。めでたい日や』と言いましたが、頭ツルツルで何がめでたいか、と思いましたね」
寺生まれの高校生ばかりの研修会なのに、肝心の教義は全く教えられなかった。
その山田講師、本願寺中枢と、浅からぬ因縁がある。
「父は、以前、全国教区会議長会の会長でした。だから、父の言うことは、本願寺の主張そのものなんです」。
龍谷大学入学時に、親鸞会とご縁があった。
「大学では、仏法を学ぼう、と思っていました。高森先生の御法話を聞いていた先輩が下宿に来て、聖道門と浄土門とのちがい、一念で、さとりの位を51段高飛びする浄土真宗でないと助からん、という話をしてくれまして感激し、よしやってみようと思ったんです」。
以来、土・日はもちろん、平日もほとんど欠かさず聴聞した、という。
知らされた真実を、大切な御門徒の皆さんに、伝えずにおれなかった。
「大学2年のときから、毎月1日と15日、家の本堂で説法しました。門徒の皆さんに、親鸞会の話を知ってほしかったから」
それでも、親鸞会の講師になる時はずいぶん反対されたという。四面楚歌での決断だった。
宿善について、たびたび口論になったという。
「親鸞会は『宿善をもとめよ』と言いながら『善では助からない』というのが、おかしい、パラドックスだと、父はさかんに言いますね。宿世を、生まれる前の過去世に限定しています。また、聴聞はしなくちゃいかんが、善をせよ、という教えはない、とも言います。それでいて、自分は助かったつもりです。『ワシは極楽往生まちがいない。お前が何言ってもビクッともせんぞ』というのが口グセ。
何とか、真実をわかってほしいのですが」
本願寺の学頭でさえ、返答につまる宿善問題である。これを正しく分かっている僧侶は、雨夜の星、時間がかかりそうだ。
しかし、山田講師は「本当の親鸞聖人の教えを、一人でも多くの人にお伝えするしかありません」と、がんばっている。
※掲載した個人名は、プライバシー保護のため仮名にしています。